世界が熱狂したバックパックダンス!元ネタと発祥少年の現在に迫る
無表情のまま腕を体の前後へ激しくスイングさせ、腰をリズミカルに振る独特なムーブ――「バックパックダンス(別名:フロスダンス)」。2010年代後半にインターネットを席巻し、日本国内でもSNSやゲームを通じて爆発的な認知度を獲得しました。一度見たら忘れられない中毒性と、誰もが思わず真似したくなるキャッチーな動きは、単なる一発ネタの枠を超えて世界規模のポップカルチャーへと昇華しています。
テレビ番組での世界的歌姫との共演、大人気ゲームへの登場、そして巻き起こった権利をめぐる法廷闘争に至るまで、この一つのダンスが辿った軌跡は実にドラマチックです。本稿では、ムーブの誕生秘話から拡散の背景、基本の踊り方のコツ、さらには発祥となった少年の波乱に満ちた現在まで、余すところなく徹底追跡します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:バックパックダンスの元ネタは米国の少年ラッセル・ホーニングが考案した「フロスダンス」であり、ケイティ・ペリーとのテレビ共演で世界的ブレイクを果たした。
- 要点2:大ヒットゲーム『フォートナイト』のエモートに採用されたことで爆発的ブームとなった一方、巨額の利益を巡る著作権訴訟へと発展した。
- 要点3:発祥者の少年「バックパックキッド」は成人を迎えた現在もインフルエンサー兼アーティストとして独自の活動を継続している。
【発祥の真相】バックパックダンスの元ネタと誕生のきっかけ
ネット上で「バックパックダンスを発明したのは誰なのか?」と長年話題になってきましたが、その生みの親はアメリカ・ジョージア州アトランタ出身の少年、ラッセル・ホーニング(Russell Horning)です。
彼がこのステップを編み出したのは2014年、サマーキャンプで友人たちとふざけ合っていた最中のことでした。腕をピンと伸ばしたまま体の前と後ろへ交互に通し、腰を反対方向へ素早くスイングさせる動きが、まるで「デンタルフロスで歯の間を掃除する仕草」に似ていたことから、元々はフロスダンス(The Floss)と名付けられました。
2016年、当時14歳だったラッセルが自身のInstagramアカウントにダンス動画を投稿し始めると、そのシュールな動きがじわじわと拡散。常にリュックサックを背負い、どれほど激しく腕を振っても一切笑顔を見せない冷徹な「ポーカーフェイス」が強烈なインパクトを残し、彼はネット上で「バックパックキッド(The Backpack Kid)」の愛称で呼ばれるようになりました。
【世界的ブレイク】ケイティ・ペリーとの共演と爆発的拡散の舞台裏
ラッセルの存在が一夜にして全世界へ知れ渡る決定打となったのが、2017年5月に全米生放送された人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』のシーズンフィナーレでした。
世界的ポップスターであるケイティ・ペリーが新曲「Swish Swish」の生パフォーマンスを披露するステージに、ラッセルがゲストダンサーとして突如登場。華やかなドラァグクイーンたちが踊る中央で、青いリュックサックを背負ったラッセルが尋常ではないスピードで腕をスイングさせると、会場と視聴者は騒然となりました。このケイティ・ペリーとバックパックキッドの共演シーンは瞬く間にクリップ化され、YouTubeやTwitter(現X)で数千万回再生を記録します。
海外の反応も熱狂的で、「あの無表情な少年は何者だ?」「人間離れした腕の動きが癖になる」と世界中のメディアが一斉に報道。名だたる海外セレブやプロスポーツ選手がこぞって真似をする一大ミームへと急成長を遂げました。
【社会現象へ】なぜ流行った?『フォートナイト』のエモートと著作権訴訟
バックパックダンスが単なるSNSの一時的な流行にとどまらず、世界中の子どもから大人まで定着した最大の理由は、大人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト(Fortnite)』の影響です。
ゲーム内でプレイヤーキャラクターが勝利時などに披露するダンスアクション(エモート)として「フロス(Floss)」が登場。ゲーム内のシーズン2バトルパス報酬として実装されるや否や、世界中のZ世代や小学生の間で爆発的な大ブームを巻き起こしました。学校の休み時間やサッカーのゴールパフォーマンスでフロスダンスを踊る子どもたちが街中に溢れかえる社会現象となったのです。
しかし、この空前の大ヒットは思わぬ影を落とします。2018年末、ラッセルの母親とマネジメントチームは、Epic Games社がダンスを無断で商品化して莫大な利益を得たとして、著作権侵害を訴える訴訟を起こしました。この裁判は「身体の短いダンスムーブに著作権は認められるのか」というデジタル時代の新たな法的論争として米連邦最高裁の判断をも巻き込む注目を集めましたが、最終的には手続き上の問題などから訴えが取り下げられる結末を迎えました。
【完全図解】フロスダンス(バックパックダンス)の踊り方と3つのコツ
見た目はコミカルで簡単そうに見えるバックパックダンスですが、実際にやってみると「手と腰のリズムが合わない」と苦戦する人が後を絶ちません。スムーズに踊るための3つのステップとコツを整理しました。
1. 手と腰を「逆方向」に振る基本姿勢
最大のポイントは、腕を右に出す瞬間に腰を左へ突き出す「逆位相」の動きです。両手を揃えて前後に振る際、腕が体の前を通るときと後ろを通るときで、腰を左右にテンポよくスイングさせます。
2. 腕の軌道は「前・後ろ・前・後ろ」
初心者がつまずきやすいのは腕の軌道です。「両腕を体の前で右へ振る」→「左腕を体の後ろ、右腕を体の前に通して左へ振る」というように、片腕を体の背中側に通すルーティンをゆっくり確認しながら反復練習するのが上達への近道です。
3. 完璧な無表情(ポーカーフェイス)を維持する
技術面だけでなく、本家バックパックキッドの雰囲気を再現するためには「表情」が欠かせません。どれだけ速いビートであっても、カメラをじっと見つめて一切笑わないシュールさを貫くことで、ダンスの完成度が格段に上がります。
【2026年最新】バックパックキッド(ラッセル・ホーニング)の経歴と現在の姿
あの鮮烈なブレイクから月日が流れ、10代前半だった少年は現在どのような道を歩んでいるのでしょうか。ラッセル・ホーニングの経歴と現在の活動を追いました。
一過性のミームで終わるネット有名人も多い中、彼はSNSのフォロワー基盤を活かしてクリエイターとしての活動を継続。音楽シーンへの進出を果たし、オリジナル楽曲のリリースやヒップホップ系イベントへの出演など、ラッパー・アーティストとしての表現の幅を広げてきました。
成人を迎えた現在では、筋骨たくましい青年へと成長。自身のルーツであるダンス動画やコメディ調のショート動画を発信しつつ、フィットネスやストリートファッションの発信にも注力しています。かつての少年は、ネットカルチャーの波を巧みに乗りこなし、成熟したデジタルインフルエンサーとしてのキャリアを築いています。
【バックパックダンス】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:バックパックダンスとフロスダンスは別物ですか?
A1:実質的に同じダンスムーブを指します。発祥時の名称は「フロスダンス(Floss Dance)」ですが、ラッセル・ホーニングが常にバックパックを背負って踊っていたことから、メディアやSNSを中心に「バックパックダンス」の呼び名が広く定着しました。
Q2:バックパックダンスを踊る際の代表曲は何ですか?
A2:世界的な火付け役となったのは、ケイティ・ペリーの「Swish Swish(feat. ニッキー・ミナージュ)」です。また、ラッセル本人が初期の動画で使用していた様々なBPM100〜120前後のトラップビートやヒップホップ楽曲も定番として親しまれています。
Q3:フォートナイトの著作権訴訟はどう決着しましたか?
A3:2019年に米連邦最高裁が著作権登録に関する新たな法解釈(登録手続きの完了前には提訴できないとする判断)を示したことを受け、原告側が訴訟を一度取り下げました。法的な白黒をつける判決は下されず、現在もゲーム内文化と個人の著作権を巡る象徴的な事例として語り継がれています。
まとめ:SNSミームからカルチャーへ定着したダンスムーブの軌跡
偶然のひらめきから生まれた一つのステップが、SNSの拡散力を起爆剤に世界的スターとの共演を果たし、メガヒットゲームを通じて世代を超えた共通言語へと進化を遂げたバックパックダンス。その歩みは、ショート動画時代におけるバイラル現象のひとつの頂点を示しています。
キャッチーな動きの裏にあった法的議論やカルチャーの変遷を知ることで、何気ないダンス動画も違った視点で見えてきます。パーティーの余興やSNSのネタとして、基本のコツをマスターして軽快にスイングしてみてはいかがでしょうか。 (出典: バック パック ダンス(Yahoo!ニュース))